というわけで、イメージ的なものをまずご紹介♪
脱税
犯罪行為で、刑罰の対象となり、刑事事件に発展するもの。
つまり、
立証や事実の認識が必要。
二重帳簿の存在など、完全な証拠書類を揃えなければならない。
基本的に金額も大きい(数千万・億円単位)
脱税は「租税回避行為」とは、わけて考えなければなりません。
ここで、川田先生の書籍から引用させていただきますと、
「「租税回避行為」は、
その目的とするところはともかく、
少なくとも形式的には法令に従って行われる行為であるのに対し、
「脱税」は「偽り又は不正の行為」によって税負担を免れる行為であり、
法令に違反する行為刑罰の対象となる行為である。」[1]
となります。
「脱税」をした場合には、悪いことを知っててした、ということで
各税法に規定するところにより脱税犯として処罰されることになります。
[1] 川田剛「節税と租税回避―判例にみる境界線―」17
頁(税務経理協会,平成21年)
租税回避行為
租税回避と脱税は何が違うんでしょうか?
ここには、大きな違いが存在します。
先に既述した川田先生の引用にもございますように、
租税回避行為は、「形式的には法令にしたがって行われる」行為で、
脱税は、「偽り・不正の行為」
で、そもそもに、許されない行為なんです。
では、少し難しい表現になりますが、
租税回避行為の、学説上の定義をご紹介します。
「わが国の学説上、「租税回避行為」とは、
一般的には「私的経済取引プロパーの見地からは合理的理由が無いのに、
通常用いられない法形式を選択することによって、
結果的には意図した経済目的ないし経済的成果を実現しながら、
通常用いられる法形式に対応する課税要件をも免れ、もって税負担を減少させ、
あるいは、排除すること」[1]
と、されています。
わかったような、わからないような、
といった感じでしょうか。
つまり、感覚的には
脱税は、
行為そのものが既に法律がアカンって言っていることで、
租税回避は、
行為そのものは法律にアカンとは言ってへんけど、そんなことしたらイカンやろ、
というような行為と言うことです。
[1] 金子宏「租税法[第15版]」114頁(弘文堂,平成22年)
仮装行為
課税処分におけるもので、民事事件に関するもの。
心証が得られれば良い。
金額は少額(数百万単位)
です。
ここに、仮装行為とは
「意図的に真の事実や法律関係を隠ぺいないし秘匿して、
みせかけの事実や法律関係を仮装することであって、
民法94条にいう通謀虚偽表示がその典型的な例である。」[1]
「「仮装行為」とは、架空の外観をつくりだすため、
事実と外観が相違することを知った上でなされる行為である。」[2]
つまり、
本当は高級ケーキを食べたのに
百均のケーキを食べたよー、
って見せかけたり、
何も食べてまへん〜
って隠したりするような行為
なんですね。
一応、民法94条を紹介しておきますと、
(虚偽表示)
第九十四条
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
と、なっております。
[1] 金子宏「租税法[第15版]」129頁(弘文堂,平成22年)
[2] 川田剛「節税と租税回避―判例にみる境界線―」15 頁(税務経理協会,平成21年)
いかがでしょうか?
少しは、イメージがつかめたでしょうか?
こちらについては、いずれ
具体例である判例を通して詳細を述べればと思っています。
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