会計原則の大前提は、企業会計原則です。
けれど、種々の法人形態によって
その規則も細分化
(という表現が正しいのかどうかわかりませんが)されています。
例えば、公営企業であったり、財団法人であったり、行政法人であったり。
で、その法人によって開示内容もさまざまで
独特の計算書類を作成しなければなりません。
その中で出てくるものの一つに、
行政サービスコスト計算書というものがあり、
ここで、難しいのが
「機会費用」という概念です。
で、「機会費用」というものを検索してみたところ、
金融用語としてヒットしてきました。
その内容は↓
「「オポチュニティーコスト」とも呼ばれ、
ある行動を選択することによって失われる、
他の選択可能な行動のうちの
最大利益を指す経済学上の概念をいう。
ある行動を選択した場合に、
実際に選択しなかった他の行動は実現されず、
仮に選択しなかった他の行動をした場合に
得られたであろう利益が犠牲になっており、
このことをいう。
機会費用は、様々な選択肢がある中、
現実的に行動する上で
全ての選択肢を実現できないことから生ずるものであり、
意思決定の際には非常に重要となる。」
ワケわからんですね^^;
つまり、たとえば、国が保有している土地があるとします。
そして、その土地を無償で借り受けました。
でも、本来ならば、
その土地の賃料を支払わなければならないはずです。
その部分で、トクをしているのです。
逆に言うと、国が損しているということです。
本当だったらこれだけの賃料を受け取れるはずなのに
受け取れなかった、という事態が生じているわけです。
けれど、なぜ、無償で提供するか。
それは、そうすることによって、
地域活性化につながるから、等の理由でしょう。
そこで、その機会費用と言うものを
住民に開示しなければならないのです。
では、その機会費用はどのように計算するのでしょうか。
まず、この場合土地の時価が必要です。
でも、民間が持っている土地ではなく国が持っているので
実際に売っているわけではないし、
時価の算定ってなかなか困難なものです。
で、一番に考えられるのは近隣土地が
いくら位で貸し付けられているのかの調査です。
これはこれで、困難です。
土地家屋調査士さんなどに相談するのも良いでしょう。
不動産屋さんに聞いてみるのもいいかもしれません。
けれど、国が貸し付けるわけですから
民間とは乖離が生じるはずです。
そうなると、単純に近隣土地の民間貸付料を参考にするのは
望ましくありません。
では、固定資産税評価額を調べるというのはいかがでしょうか?
しかし、借地であったり、行政が持っているものであるならば
固定資産税がかからない(免除申請等をしている場合も含む)
ので
それもわかりません。
そこで、登場するのが
相続税評価額です。
相続税評価額は、
概ね時価の80%であると言われています。
まさか、ここで、
相続税法における財産評価が登場するとは、
と言う感じですよね^^;
で、実務上重要なのは
図面のみで担当者に聞いただけでは
実際の土地の状況を把握できません。
必ず、現場に足を運びましょう。
するとやっぱり、
図面や口頭で聞いていたものとは違ったことが見えてきます。
角地だと聞いていたのが
実は、横に緑地があって、
その部分が都道府県の持ち物であったりもします。
で、ようやく相続税評価額の計算及び
80%で割り戻した時価の算定に至るわけです。
次に、しなければならないのが
賃料の計算です。
行政には、必ず行政財産使用料の規定があります。
それを調べるようにしましょう。
(この率が、民間とは乖離がある場合が多いです)
今時はどの行政もHPをもっているので
そこに載せてあるはずです。
で、最初に見積り計算した時価(みなし固定資産税評価額)に
その率を乗ずるわけです。
これで、機会費用の算定は完了♪
いかがでしょうか?
ちなみに、機会費用にはもう一つ必ず出てくるものがあります。
政府等からの出資についてです。
これは、期末の10年物の国債利回りを参考にします。
注記事項に必ず入れましょうね。
いずれにしても、
どんな会計でも税法でも、
どこかでつながっているわけです。
【参考】
http://www.ifinance.ne.jp/glossary/business/bus029.html
独立行政法人会計基準 第68〜70
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