あきこの孫の手 Vol.11

数理計算上の差異ってなぁに!?

          


退職給付会計で、理解に苦しむのが
数理計算上の差異
というものです。

数理計算上の差異とは
一般的には
年金資産と、期待運用収益の実際運用成果の差異
となります。

また、退職給付債務の数理計算に実際利用した金額と
見積り時の数値との変更により
発生したものです。

で、結局数理計算上の差異には

あらかじめ定めた基礎率と実際の数値との差異(見積りと実際との差異)
基礎率を変更した場合に生じる差異

となります。


で、この数理計算上の差異については
当期に財務諸表に反映される場合とそうでない場合があります。

当期の財務諸表に反映されない場合は
注記事項で開示する必要があります。

そして、翌期から、費用処理をしていくことになります。
(当期からの費用処理も可能)

そして、もう一つ難しものが
未認識数理計算上の差異、というもの。

未認識数理計算上の差異は会計基準上
PLに反映させないことが認められています。

つまり、毎期一定の年数で按分した金額を費用処理し、
その残額はオフバランス処理。

でも、注記で開示しなければならない。

数理計算上の差異とは
退職給付債務の数理計算に用いた見積数値と実績値との乖離
及び見積数値の変更等により発生した差異です。

オフバランス処理を許容する方式を
国際会計基準では
コリドー方式(回廊方式)というそうです。

これは、その差異が10%以内なら費用認識しなくても良くて
10%を超えると費用認識しなければならない、
というものです。

ただし、日本基準では採用されていません。


退職給付債務については
積立不足が生じている企業が多くあるようです。

国際会計基準に歩み寄りを見せている日本基準ですから、
このあたりの会計基準については
国際会計基準と同様、流動的であると考えます。

常に、目を光らせておかなければなりませんね。











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